最大の素数更新!
最近、最大の素数が新たに更新されたそうで以下のブログでも紹介されています。
今回の記事ではこの最大の素数に関連した話をしていこうと思います。
メルセンヌ素数について
メルセンヌ素数について次の命題が成り立ちます。
(証明) 対偶「が合成数ならばも合成数である.」を示す.
が合成数ならば,ある素数と整数を用いてと分解できる.
このとき
と変形でき は素数であるから なので はではない.
よっては合成数である.
(証明終わり)
逆が成り立たないことは から分かります。
メルセンヌ素数と完全数について
完全数とは次のような数です。
(定義)約数の総和が元の数の2倍になっているとき,その数を完全数という.
完全数には次のような数があります。
(例)[完全数]
(命題)が素数ならば, は偶数の完全数である. また偶数の完全数はこの形に限られる.
(証明) を素数とする.の約数は,
である.これらの和は,
となり元の数の2倍となっている. したがって は完全数である.
逆に を偶数の完全数とする. を自然数, を奇数とし, とあらわす.
このとき の約数の総和 はの約数の総和 を用いて次のように表される.
は完全数なので だから
が成り立つ. は奇数なので, は で割り切れる. を整数として
とおき上式に代入すると
これより, が得られる.
とすると, はの約数となる.このとき
となり矛盾する. したがって, であるから
であり,であることから は素数である.
以上より偶数の完全数 はと表される.
(証明終わり)
上で示したことからメルセンヌ素数と偶数の完全数は一対一に対応することが分かります!
すなわち、完全数を見つけるためにはメルセンヌ素数を見つければよいし、メルセンヌ素数を見つけるには完全数を見つければよいことが分かります。