三角数かつ平方数
この記事では代数的整数の使いどころを紹介します。
タイトルにある通り三角数であり平方数である数はどんな数かという問題を考えていきます。
三角数とは
平方数についてはある自然数の2乗で表すことができる数ですが三角数とはどのような数でしょうか。三角数とは次のような数です。
例[三角数]
は三角数である.
三角数の名前の由来ですが, 三角形のように石を並べる時の石の総数だからです。
三角数かつ平方数
本題に入って, 三角数かつ平方数である数を求めてみようと思います。自然数を用いて, 三角数は, 平方数はと表すことができます。これらが等しくなるようなを求めればよいので次の方程式の自然数解を求めればよいことになります。
この式を眺めていても解は見えてこないので変形していきます。
とおけば, 方程式が得られます。
よって, この方程式の自然数解を求めればよいことになります。
適当に数を当てはめてみて計算するとが解であることが分かります。この解はの場合に対応していて, 1は三角数かつ平方数ということになります。
それでは、他に解はあるでしょうか。詳しいことはあとにしてを解とするとき, も解になっていることが簡単な計算により分かります。よってすでに答えが1組見つかっているのでそこから計算するとが解になっていることが分かります。これらの解はの場合に対応しています。
以上の結果から三角数かつ平方数である数としてが見つかりました。また条件を満たす数が無数に存在することも分かりました。しかしほかに解がないことの確認は行っていません。
について
今回の問題を解くポイントとなったのはという方程式です。この方程式は一般にpell方程式と呼ばれています。整数解を求めるのですが整数の範囲を飛び出してという代数的整数を用いることで整数解を自然な方法で求めることができます。
pell方程式を解く方法は今後まとめて紹介していこうと思います。
今回の記事は次の本に載っている問題をそのまま紹介しました。
はじめての数論 原著第3版 発見と証明の大航海‐ピタゴラスの定理から楕円曲線まで
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